開催レポート

2020年11月04日

『ばるぼら』手塚眞監督舞台あいさつ

11/3(祝)15:00『ばるぼら』の上映前、手塚眞監督の舞台あいさつを開催しました。1週間前の午前0時に販売されたチケットは最速ですぐに完売。翌朝9時40分から販売された補助席も瞬く間に完売となり、映画祭新記録を作った超話題作。11/20の全国公開に先駆けての上映となり、まさに「プラチナチケット」となった座席指定券を手に全国からお客様が大集合。上映前に、カフェでチャイを飲まれていた手塚眞監督を見つけて、サインの列が出来ていました。

15:00『ばるぼら』の上映前、満席の観客の前に、ひときわ大きな拍手で手塚眞監督がご登壇。この日は、監督の父、故手塚治虫さんの92歳になる誕生日。宝塚市立手塚治虫記念館の名誉館長でもある手塚眞監督は、午前中は同館での誕生日イベントに出席。お祝いをされてからのご来館となり、まず、最初にそのことから話されました。

「今日この日、父・手塚治虫が3歳から24歳まで過ごした宝塚で、しかもその誕生日に上映されることは私にとっても特別なことであります」と話され、熱気むんむんのお客様にまずごあいさつ。「宝塚は手塚のルーツであって、また宝塚映画もあって、宝塚は漫画と映画のルーツとも言えます」と宝塚映画への敬意もお話してくださいました。

『ばるぼら』のタイトルは、手塚が名付けた主人公の女性の名前で、その意味は不明ですが、映画では最初そのタイトルが英語で出てきますが、これは日本・ドイツ・イギリスの合作だから、どこの国でもそのまま上映されるように、このようになっています。この(『ばるぼら』の)ポスターは、カッコ良くて綺麗で僕も自慢です」と話されました。ポスターは数種類も作られた中から今のデザインのものを選ばれたとのことですが、他にも実にカッコ良いものがあったと話され、「いずれお見せできれば」と楽しみなご発言。

「『ばるぼら』は、どこか男勝りで中世的な女性という設定ですが、「リボンの騎士」をはじめ手塚治虫のヒロインはそんなところがありますが、そのイメージは手塚治虫が子供のころからよく見に行った宝塚歌劇から培われたものなんですね。それが二階堂(ふみ)さんにぴったりなんですね」と主演のばるぼらを演じられた二階堂ふみさんを大絶賛! 「衣装をつけた瞬間に『ばるぼら』だな!と思った」とのこと。

「一方、小説家・美倉洋介を演じた稲垣吾郎さんは非常に理知的に芝居をされる方でしたが、人生に葛藤を抱えた役としてどこかで内面から自然ににじみでくる人間性を表現していただき、素晴らしい演技でした」とこちらも大絶賛。さらに「稀代の名キャメラマンのクリストファー・ドイルさんの見事な映像と相まって、素晴らしい現場になったと思います」と一気に話されました。稲垣吾郎さん、二階堂ふみさん、撮影のクリストファー・ドイルさんと、素晴らしい才能の皆さんが集まっての撮影に、手塚監督も多いにに手応えを感じた撮影現場だったと熱く話されました。まるで、映画の熱気が伝わってくるような、熱い手塚監督の15分間もの映画への思いを一気に話され、観客も大いに魅了。熱気渦巻く大喝采のプレミア上映となりました♫

『ばるぼら』は、11月20日(金)から全国ロードショーされます。ご期待ください!

2020年11月03日

『普通に死ぬ〜いのちの自立〜』貞末麻哉子監督舞台あいさつ

11/3(火・祝)12:20『普通に死ぬ〜いのちの自立〜』の上映前、貞末麻哉子監督舞台あいさつを開催しました。カメラを持って行ってひとりで取材しているので、監督と言われると、ちょっと「えっ?」という感じになってしまうという貞末監督。今日も(東京から)車で来られていますが、北海道と沖縄以外は、撮影機材を積んで全国、車で回っているそうです。

「前作の『普通に生きる』は、どんなに重い障害を持っていても、本人もその家族も普通に生きてゆける社会をめざす重症心身障がい児者のための通所施設を描いた作品でしたが、その続編となるのが本作です」

『普通に死ぬ』のタイトルは誤解もあるのかもしれませんが、『普通に生きる』の後、8年も取材していく中で、生きていくことの先には必ず死があるし、避けては通れないのですが、それさえままならない人たちがいる中で、今回の映画は自然にこのタイトルになりました」と話されました。 「コロナ禍の自粛生活で皆さんもご家族と一緒に大変不便な中、生活されてきたと思うのですが、この映画に描かれている重い障がいの人たちは生まれたときからずっとそうなんですね。そんな中であるからこそ、より想像できるんじゃないかなと。また、いずれ皆さんも障がいは自分の現実の問題になるんですね。自分たちのことの問題として、この映画を見てほしいと」話されました。

また、映画に描かれる西宮や伊丹など、宝塚近隣の地での先駆的な地道な活動も紹介されています。「素晴らしい取り組みをされている宝塚のまわりの皆さんの活動を伝えたくて、ぜひ宝塚で上映していただきたいと思っていました」と話されました。

『普通に死ぬ〜いのちの自立〜』は、宝塚映画祭最終日の11月5日(木)14:55からも上映されます。その上映後には、貞末監督が再び舞台あいさつされることも決定。皆さまのご来場をお待ちしています。

2020年11月01日

「懐かしの宝塚映画ポスター展」ロビーにて開催中!

2020年11月01日

悲劇のタカラジェンヌ「今に語り継ぐ園井恵子」写真展も同時開催中!

大林宣彦監督作『海辺の映画館ーキネマの玉手箱』の上映に合わせてシネ・ピピアで開催した、悲劇の元タカラジェンヌ「今に語り継ぐ園井恵子」写真展を、ピピアめふ5Fロビーにて引き続き開催中です。映画祭と共にぜひお楽しみください。

9月19日の読売新聞でご紹介いただきました。

10/4神戸新聞

2020年10月31日

『シーズ・レイン She's Rain』白羽弥仁監督舞台あいさつ

10/31(土)13:55『シーズ・レイン She's Rain』(1993年)の上映後、白羽弥仁監督の舞台あいさつを開催。もう28年も前の震災前の神戸と阪神間の撮影で、いろいろあったけど、すべて懐かしく良い思い出で、愛おしいように思うと話されていました。1992年、神戸の街をロケハンして撮影。幼なじみユウコの家は、豪華な旧家の邸宅でしたが、震災で全壊したとか。街はすっかり変わってしまいました。映画は記録性の側面もあって、震災前の神戸や芦屋など阪神間の街の、貴重な記録証言にもなっているかと思います。そういう意味でも、繰り返し見ていただいています。

脚本は白羽監督と岡田惠和さん。いまや日本を代表するシナリオライターとなった岡田さん。当時は新進のライターで、ふたりで丁々発止でシナリオ化。しかし、そのアイデアはいまを彷彿させるとその才能を高く評価されていました。

『シーズ・レイン She's Rain』は、何回もご覧の方が多く、隠れたカルト・ムービーの1本として長く愛されてきた作品。舞台あいさつが終わった後も、監督に一言お話したいという方の列ができていたことも印象的でした。

『シーズ・レイン She's Rain』は11/2(月)18:00からもう一度上映があります♪

2020年10月31日

「宝塚映画名作選」レジュメ完成!

9本上映する宝塚映画名作選では、そのうち4本の作品に当時のスタッフからお話をお聞きしたインタビュー映像を特別上映。

『弥次喜多漫才道中 化け姫騒動の巻』(1955年/監督:佐伯幸三)は、映画・演劇ジャーナリストの辻則彦さんが「宝塚新芸座」について語られ、『独立機関銃隊未だ射撃中』(1963年/監督:谷口千吉)はスクリプターの梶山弘子さんが、スクリプターの仕事と撮り直されたラストシーンについて語られ、『蟻地獄作戦』(1964年/監督:坪島孝)は当時B班撮影チーフの田邊皓一キャメラマンが、台風に見舞われた大変な撮影現場だったことと撮影について語られ、そして『大菩薩峠』(1966年/監督:岡本喜八)は当時助監督の辻井康一監督が、カットされたラストシーンを中心に語られました。

これらインタビューは、10〜15分の記録映像としてまとめ、それぞれの作品の上映後、特別上映しています。

さらに、そのインタビューのテープ起こしを行い、レジュメを作成。特別上映の後に、お帰りのお客様に配布しています。とっておきの撮影秘話もお楽しみに!

2020年10月30日

第21回宝塚映画祭 開幕!