上映作品
宝塚映画名作選
宝塚ならではの本格的音楽映画
ジャズ娘乾杯!
1955年/宝塚映画/白黒/100分
監督・脚本:井上梅次/脚本:高木史郎/撮影:遠藤精一/美術:西七郎/音楽:多忠修、河村篤二
出演:雪村いづみ、寿美花代、朝丘雪路、伴淳三郎、フランキー堺、江利チエミ、中山昭二、高英男、トニー谷、ペギー葉山
◆宝塚歌劇の全面協力で生まれた本格的音楽映画。雪村いづみ、寿美花代、朝丘雪路は歌と踊りが大好きなレビュー女優志願の三人姉妹だが、曲芸師の父親(伴淳)は大反対…。父娘の愛情と、スター誕生の物語を豪華キャストで描く。当時の宝塚歌劇の映像や、宝塚出身の寿美と朝丘、そして雪村、江利の歌声など見所満載の快作!
「宝塚新芸座」総出演による東海道珍道中
弥次喜多漫才道中 化け姫騒動の巻
1955年/宝塚映画/白黒/53分
監督:佐伯幸三/脚本:倉谷勇/撮影:赤井隆二/美術:西七郎/音楽:岡政雄、河村篤二
出演:夢路いとし、喜味こいし、ミス・ワカサ、島ひろし、ミヤコ蝶々、南都雄二、松本徳二、秋田Bスケ、秋田Aスケ
◆かつて宝塚にあった「宝塚新芸座」。小林一三が関西漫才界の重鎮・秋田實にもちかけ発足した本格的ショービジネスを目指す演劇集団。その「宝塚新芸座」総出演の時代劇お笑い珍道中。弥次郎兵衛(喜味こいし)と喜多八(夢路いとし)は、お伊勢まいりへと東海道を漫歩中、領主の息女・若狭姫と遭遇するが、これが偽姫と知って…。ミヤコ蝶々映画初出演作。
★上映後、辻則彦さん(ジャーナリスト)による特別映像付き
〈追悼・八千草薫〉
初代桂春団治の芸と艶事
世にも面白い男の一生 桂春団治
1956年/宝塚映画/白黒/108分
監督:木村恵吾/原作:長谷川幸延/脚色:木村恵吾、渋谷天外/撮影:三村明/美術:水谷浩/音楽:原六朗
出演:森繁久彌、淡島千景、高峰三枝子、八千草薫、田村楽太、田中春男、横山エンタツ、浪花千栄子、浮世亭歌楽
◆落語界のスーパースター・桂春団治(森繁)の破天荒な人生を、3人の女(世話女房・淡島千景、妖艶な後家・高峰三枝子、純情京娘・八千草薫)を軸に描いた傑作。無頼の愛嬌者・春団治の映画化に、演芸界の人気者がこぞって出演。大正時代の法善寺横丁を再現し、当時、二代目春団治が清荒神に居を構えていたことから、二代目から初代使用の本物の人力車を借りて撮影に使用。
「宝塚新芸座」総出演のスリラー喜活劇
漫才長屋は大騒ぎ
1956年/宝塚映画/白黒/47分
監督:山崎憲成/原案:秋田實/脚本:中川順夫/撮影:近藤憲明/美術:東和夫/音楽:河村篤二
出演:ミヤコ蝶々、南都雄二、ミス・ワカサ、秋田Bスケ、秋田Aスケ、夢路いとし、喜味こいし、島ひろし、笑福亭松之助
◆「宝塚新芸座」総出演でおくるお笑い満載のスリラー喜活劇。秋田實の原案をもとに宝塚映画で製作。大阪天王寺裏の長屋で蘭学者の湯川草山が何者かに殺された。この事件に巻き込まれた番太小屋のお蝶(ミヤコ蝶々)や目明し雄吉(南都雄二)たち長屋一同が、江戸崩壊を図ろうとする邪教団「てんつくてんてん教」と対決するが…。
〈松林宗恵監督生誕100年〉
司葉子の美貌が光る哀愁メロドラマ
美貌の都
1957年/宝塚映画/白黒/98分
監督:松林宗恵/脚本:井手俊郎/撮影:遠藤精一/美術:村木与四郎/音楽:斎藤一郎
出演:司葉子、宝田明、淡路恵子、小林桂樹、木村功、清川虹子、浪花千栄子、扇千景、環三千世
◆大阪の町工場で働く千佳子(司)は、同じ工場に働く耕一(宝田)と交際していたが、貧しい生活から抜け出したいと願っていた。そんな彼女の前に現れたのが青年副社長(木村)。これまでと違う華麗な世界を知った彼女はやがて自分を見失っていく…。今年が生誕百年となる名匠・松林宗恵が宝塚で手掛けた女性映画。阪急庄内駅や梅田駅などでロケ。本作や『桂春団治』に出演している浪花の名優・浪花千栄子。彼女をモデルに、NHK連続テレビ小説『おちょやん』が11月から放送予定。戦前から戦後の大阪を舞台に少女が女優の道を目指す生涯を描く話題作。
青春ミュージカル・コメディ
ハイハイ3人娘
1963年/宝塚映画/カラー/87分
監督:佐伯幸三/原作:川上宗薫/脚本:井手俊郎/撮影:梁井潤/美術:小島基司/音楽:平岡精二
出演:中尾ミエ、園まり、伊東ゆかり、スリー・ファンキーズ、田辺靖雄、高島忠夫、江原達怡、ハナ肇とクレージーキャッツ
◆TV音楽バラエティ番組「森永スパーク・ショー」で人気者となった“スパーク3人娘” 中尾ミエ、園まり、伊東ゆかり主役のミュージカル・コメディ。川上宗薫の青春小説「先生・先輩・後輩」を佐伯幸三が監督。怪しい愛の告白電話は、いったい誰が…? 神戸や六甲山などで撮影。スリー・ファンキーズにクレージーキャッツと、ナベプロ総出演!
谷口千吉による戦争アクションの名作
独立機関銃隊未だ射撃中
1963年/宝塚映画/白黒/92分
監督:谷口千吉/脚本:井手雅人/撮影:山田一夫/美術:加藤雅俊/音楽:團伊玖磨
出演:三橋達也、佐藤允、夏木陽介、太刀川寛、寺田誠、福山博寿、堺左千夫、大中英二
◆終戦間近のソ満国境付近、ソ連軍は戦車を配備して大攻勢を開始した。すさまじい砲撃の中、重機関銃トーチカ「キの3」に立てこもる5人の守備兵は、ソ連軍に包囲され次第に追いつめられていくが…。充満する男たちの息づかい、悲壮感。トーチカという密室空間で濃密な人間ドラマが繰り広げられる戦争アクション。戦争映画の隠れた名作!
★上映後、梶山弘子さん(スクリプター)による特別映像付き
面白い! 戦争アクション映画の傑作
蟻地獄作戦
1964年/宝塚映画/白黒/101分
監督:坪島孝/脚本:関沢新一、小川英/撮影:小泉福造/美術:植田寛/音楽:広瀬健次郎
出演:仲代達矢、佐藤允、中丸忠雄、夏木陽介、堺左千夫、中川ゆき、谷啓、水野久美、三橋達也
◆仲代達矢と佐藤允ら「独立愚連隊」の面々による戦争アクション映画の傑作。日中戦争末期の北支最前線、敵陣にある重要拠点の橋を爆破せよ、という特命を受けた異色のはみ出し者部隊の決死の戦いを、スリル満点に描いた娯楽戦争活劇。オープンセットが台風で流されても再現した宝塚映画の美術陣の力量を示す快作!
★上映後、田邉皓一さん(撮影監督)による特別映像付き
仲代達矢、加山雄三、三船敏郎が出演した豪華時代劇
大菩薩峠
1966年/宝塚映画/白黒/120分
監督:岡本喜八/原作:中里介山/脚本:橋本忍/撮影:村井博/美術:松山崇/音楽:佐藤勝
出演:仲代達矢、新珠三千代、内藤洋子、加山雄三、西村晃、三船敏郎、中谷一郎、藤原釜足、天本英世、佐藤慶
◆名匠・岡本喜八監督が宝塚映画で撮った唯一の作品。何度も映画化された原作を、合理的な解釈で演出。妖剣“音無しの構え”を操る無頼の剣客・机龍之助。その虚無に囚われた業深き魂の彷徨と凄惨かつ壮絶な戦いを描く。狂気の剣豪を演じた仲代達矢をはじめ、宇津木兵馬の加山雄三、そして三船敏郎の3大スターが共演。ラストの殺陣シーンは必見!
★上映後、辻井康一さん(監督/当時助監督)による特別映像付き
阪神間映画特別上映
阪神・淡路大震災25周年/震災前・震災直後・現在…映画で描かれた神戸
震災前の神戸が舞台の白羽弥仁監督デビュー作
シーズ・レイン She's Rain
1993年/「シーズ・レイン」製作委員会/カラー/95分/35mm
監督・脚本:白羽弥仁/原作:平中悠/脚本:岡田恵和/撮影:阪本善尚/音楽:奈良部匠平/美術:古谷良和
出演:小松千春、染谷俊、成田路実、菊池麻衣子、野村祐人、橘洋大、山下規介、松岡英明、野田幹子、有森也実、范文雀
◆『劇場版 神戸在住』『みとりし』などの白羽弥仁監督の劇場デビュー作。震災前の神戸の街を舞台に、若者の日常や恋愛を描いた鮮烈な青春映画。1995年の大震災ですっかり変わってしまった神戸と阪神間の街並み。美しい神戸と阪神間のかつての風景、震災で閉店となった名店や名所が満載の、いまや貴重な街の記録でもある。
●舞台あいさつ:白羽弥仁監督(10/31)
震災直後の神戸で撮影された篠田正浩監督作品
瀬戸内ムーンライト・セレナーデ
1997年/松竹・オフィストゥーワン・フジテレビジョン・ポニーキャニオン/カラー/117分/35mm
監督:篠田正浩/原作:阿久悠/脚本:成瀬活雄/撮影:鈴木達夫/美術:池谷仙克/音楽:池辺晋一郎
出演:長塚京三、岩下志麻、鳥羽潤、吉川ひなの、高田純次、羽田美智子、永澤俊矢、火野正平、麿赤兒、フランキー堺、余貴美子
◆戦後の混乱期に戦死した長男の遺骨を故郷へ納めるため、淡路島から故郷の宮崎へ向かう一家を描いた篠田正浩監督作品。別府へ渡る船に乗るために寄った神戸の街は空襲で廃墟と化していた。それから50年、成長した息子は、阪神淡路大震災で再び同じ光景を眼にする。震災直後の神戸で撮影を敢行し、復興を願った渾身作。
新作プレミア上映
この秋公開の話題作・問題作をいち早く上映!
監督:手塚眞×原作:手塚治虫!特別プレミア上映
ばるぼら
2019年/『ばるぼら』製作委員会/カラー/100分/R15+
監督・編集:手塚眞/原作:手塚治虫/脚本:黒沢久子/撮影監督:クリストファー・ドイル、蔡高比
出演:稲垣吾郎、二階堂ふみ、渋川清彦、石橋静河、美波、大谷亮介、ISSAY、片山萌美、渡辺えり
◆禁断の愛とミステリー、芸術とエロス、スキャンダル、オカルティズムなど、その独特な世界観から“映画化不可能”と言われた手塚治虫の問題作を、実子の手塚眞が待望の映画化。異常性欲に悩まされる小説家の美倉(稲垣)は、アルコールに溺れる謎のフーテン女・ばるぼら(二階堂)と出会うが…。手塚治虫の93回目の誕生日11月3日にプレミア上映!
※11月20日(金)~大阪シネ・リーブル梅田ほか全国ロードショー
※公式サイト https://barbara-themovie.com/
●舞台あいさつ:手塚眞監督(11/3)
地域での医療的ケアを求めて伊丹や西宮でも撮影!
普通に死ぬ〜いのちの自立〜
2020年/マザーバード/カラー/119分
監督・撮影・構成・編集:貞末麻哉子/録音:中山隆匡/音楽:木-Kodama-霊/ナレーター:余貴美子
◆重い障がいをもった人と家族。地域で普通に生きていくための取り組みを描いた前作『普通に生きる』から10年。親も子も年齢を重ねていくなかで、どうしたら生まれ育った地域で普通に生き、死んでいくことができるのか…。厳しい現実と希望を見つけだす渾身作。地域での医療的ケアを求めて、伊丹や西宮でも撮影。
※11月28日(土)~大阪シネ・ヌーヴォほか全国ロードショー
●舞台あいさつ:貞末麻哉子監督(11/3)
★11/5(木)上映後にも、貞末麻哉子監督舞台あいさつ決定!