上映作品Program

宝塚市制70周年記念上映

1954年に製作された映画の特集!

2024年は、1954年4月1日に誕生した宝塚市の市制施行70周年。70年前の1954年は最も映画人口が多かった日本映画の黄金期。数々の名作が作られていました。「宝塚市制70周年記念」として1954年に製作された日本映画史に残る名作4本と、宝塚市立手塚治虫記念館30周年記念上映を開催します。

高峰秀子 生誕100年

二十四の瞳

1954年/松竹大船/35mm/156分/白黒
監督・脚本:木下惠介/原作:壺井栄/撮影:楠田浩之/照明:豊島良三/音楽:木下忠司/録音:大野久男/美術:中村公彦/出演:高峰秀子、月丘夢路、田村高廣、小林トシ子、笠智衆、井川邦子、夏川静江、浪花千栄子、天本英世

瀬戸内海に浮かぶ小豆島を舞台に、女性教師と12人の子供たちの交流を抒情的に綴り記録的な大ヒットとなった国民的傑作。高峰秀子の大石先生は教師像の理想となるほどの名演だった。戦前戦後の時代を背景に、戦争に対する怒りを庶民の視点で清く描いた日本映画史上に残る不朽の名作。キネマ旬報ベストテン第1位等、あらゆる賞を総なめにした。

森鷗外 没後102年

山椒大夫

1954年/大映京都/DCP(デジタル修復版)/124分/白黒
監督:溝口健二/原作:森鷗外/脚本:八尋不二、依田義賢/撮影:宮川一夫/美術:伊藤熹朔/音楽:早坂文雄/録音:大谷巌/照明:岡本健一/出演:田中絹代、花柳喜章、香川京子、清水将夫、進藤英太郎、河野秋武、香川良介、三津田健、南部彰三、浪花千栄子、見明凡太朗

森鷗外の原作を溝口健二が重厚な演出で描き、ヴェネチア国際映画祭で見事銀獅子賞を受賞した傑作。平安時代、人買いにだまされ母親と引き離されてしまった安寿と厨子王が、10年間の過酷な労働に耐え忍んだ後、母親を捜し求め荘園を抜け出すが…。ゴダールや世界の映画人が絶賛。涙なしでは観られないラストシーンの素晴らしさ!

林芙美子 生誕121年

晩菊

1954年/東宝/35mm/101分/白黒
監督:成瀬巳喜男/原作:林芙美子/脚本:田中澄江、井手俊郎/撮影:玉井正夫/音楽:斎藤一郎/美術:中古智/録音:下永尚/出演:杉村春子、沢村貞子、細川ちか子、望月優子、有馬稲子、上原謙、加東大介、小泉博、見明凡太朗、沢村宗之助

金貸しで生計を立てる元芸者の女(杉村)と芸者時代の仲間はそれぞれの暮らしを続けていたが…。林芙美子原作で数々の傑作を手掛けた名匠・成瀬巳喜男が、林の短編『晩菊』『水仙』『白鷺』を原作に、華やかなりし頃を過ぎ、老いを意識する年齢になった女性たちの悲哀を綴った名篇。杉村をはじめ円熟期の名女優たちの名演が光る!

乙羽信子 生誕100年

大阪の宿

1954年/新東宝/デジタル/122分/白黒
監督:五所平之助/原作:水上瀧太郎/脚本:八住利雄、五所平之助/撮影:小原讓治/美術:松山崇/音楽:芥川也寸志/録音:道源勇二/出演:佐野周二、乙羽信子、木戸光子、川崎弘子、左幸子、安西郷子、三好栄子、田中春男、細川俊夫、小川虎之助、多々良純、藤原釜足

大阪を舞台に数々の名作を手掛けた作家・水上瀧太郎の同名小説を映画化。大阪に左遷された三田(佐野)と、彼が住まいとする安旅館の女将(三好)や女中たち、さらに旧知の芸者(乙羽)など、大阪の市井に生きる庶民たちの人間模様を情緒豊かに描いた名作。70年前の大阪の街並みも必見。名匠・五所平之助の代表作。新東宝のスター、細川や俳優陣の名演が光る!

宝塚市制70周年×
手塚治虫記念館
30周年記念 特別企画

開館30周年になる手塚治虫記念館で長年親しまれてきた短編アニメと、関連する作品を特別上映。手塚治虫の生涯をモデルに、子息の手塚眞監督が手掛けた3部作と、遺作となった『森の伝説』の第二楽章を上映します。手塚眞監督によるトーク付き。

© 手塚プロダクション

オサムとムサシ

1994年/18分/監督:りんたろう/音楽:冨田勲

手塚治虫の少年時代をモデルに、オサム少年が昆虫から命の尊さを教えられる。冨田勲の音楽が『ジャングル大帝』を思わせ涙を誘う。

都会のブッチー

1995年/13分/監督:山本暎一/音楽:谷川賢作

手塚治虫の青年時代をユニークにアレンジしたストーリー。『千夜一夜物語』『哀しみのベラドンナ』の山本暎一監督がユーモア溢れる楽しいアニメを制作。

クミとチューリップ

2015年/24分/監督:吉村文宏/総監督:手塚眞/音楽:服部隆之

手塚治虫をモデルにした三部作の最終話。若手アニメーターを育てる「アニメミライ」の企画として制作された。脚本・総監督は手塚眞自身。

森の伝説 第二楽章

2014年/12分/原案:手塚治虫/監督:手塚眞

手塚治虫の短編実験アニメ『森の伝説』の未完成だった「第二楽章」を手塚眞監督によって映像化。チャイコフスキーの交響曲第四番に合わせた美しい映像詩。

宝塚映画名作選

宝塚映画製作所で作られた
名作の数々、一挙上映!

1951年、阪急の総帥 小林一三により「宝塚映画製作所」が設立。かつて東洋一と謳われたモダンな撮影所を擁し、東宝系の製作会社として、日本映画黄金時代の一翼を担い、関西の風土・文化をいかした時代劇や人情喜劇、ミュージカル映画、文芸大作まで多彩で良質な娯楽映画176本を創り続けた。「宝塚映画製作所」作品、6作品を一挙上映!!

すべて35mmフィルム上映
©TOHO CO., LTD.

開催記念トークショー

「宝塚映画を語る」

11/1(金)14:55
『岩見重太郎 決戦天の橋立』上映後

  • ◎トーク:
    河内厚郎さん(宝塚映画祭実行委員長)
    小山敏夫さん(『宝塚と仁川の物語』著者)
アチャコ&伴淳主演の時代劇コメディ

仇討珍剣法

1954年/宝塚映画/86分/白黒
監督:斎藤寅次郎/脚本:松浦健郎/撮影:友成達雄/美術:西七郎/音楽:河村篤二/出演:花菱アチャコ、益田喜頓、伴淳三郎、木戸新太郎、南悠子、浦島歌女、水代玉藻、梅屋かほる、星十郎、毬るい子、初音礼子

喜劇映画の名手・斎藤寅次郎が、人気絶頂の花菱アチャコ主演で描く時代喜劇。武術大会で圧倒的な強さを見せる老剣士・碇金平太(アチャコ)を、特製の精力剤を飲んだ臆病者の医者(伴淳)が負かす…?一人二役のアチャコ、仇役の伴淳、とぼけた悪人の益田喜頓と、ギャグ連発の道中劇に、ちょっぴりお色気も交え盛りだくさんの時代劇コメディ。

時代劇の大スターが揃い踏みの超豪華版!

岩見重太郎 決戦天の橋立

1954年/宝塚映画/86分/白黒
監督:渡辺邦男/脚本:柳川真一/撮影:渡辺孝/音楽:山田栄一/美術:西七郎/録音:八島宇一郎/出演/嵐寛寿郎、大河内傳次郎、月形龍之介、中川晴彦、神代錦、扇千景、雅章子、阿部九洲男、小園千春

講談や歌舞伎で知られる岩見重太郎物語を、アラカン主演で描いた娯楽活劇。二刀流の剣豪・岩見をアラカン、後藤又兵衛に大河内傳次郎、塙団右衛門に月形龍之介と、時代劇の大スターが揃い踏みの超豪華版。さらに扇千景や宝塚歌劇の女優たちも出演。仇討ちの決戦の場・天の橋立でのクライマックスの立ち回りは最高潮!宝塚映画の力量にも興奮!!

生誕100年 乙羽信子

野良猫

1958年/宝塚映画/92分/白黒
監督・脚本:木村恵吾/原作:茂木草介/脚本:藤本義一、倉田順介/撮影:岡崎宏三/音楽:真鍋理一郎/美術:近藤司/録音:鴛海晄次/照明:下村一夫/出演:森繁久彌、乙羽信子、田崎潤、山茶花究、横山エンタツ、環三千世、ミヤコ蝶々、南都雄二、ダイマル・ラケット

お人好しの兵太郎(森繁)は、元は飛田で妓楼を営む主人だったが、今は落ちぶれたその日暮らし。ある日、昔馴染みの女(乙羽)と再会し…。人生の負け組男女の邂逅から起死回生までの二十四時間を、大阪・釜ヶ崎のドヤ街を舞台に描いた風俗喜劇。本物のレールを敷いたり、宝塚映画の美術スタッフの活躍も見事な木村恵吾監督の傑作。

生誕100年 山崎豊子&淡島千景

花のれん

1959年/宝塚映画/129分/白黒
監督:豊田四郎/原作:山崎豊子/脚本:八住利雄/撮影:安本淳/音楽:芥川也寸志/美術:伊藤喜朔/録音:鴛海晄次/照明:下村一夫/出演:淡島千景、森繁久彌、司葉子、花菱アチャコ、石濱朗、乙羽信子、佐分利信、浪花千栄子、飯田蝶子、山茶花究、環三千世

吉本興業の創業者・吉本せいをモデルにした山崎豊子の直木賞受賞作の映画化。寄席経営に辣腕を振るうきっぷのいい浪花女を淡島が熱演した商魂一代記。『夫婦善哉』に続き、森繁は酒と女にだらしない夫を演じて、淡島との阿吽の呼吸を見せる。原作の山崎、そして淡島は今年、生誕百年を迎えた。吉本のルーツ「天満花月」も登場。

ご存じ森の石松のニセ者が東海道に氾濫!?

暴れん坊森の石松

1959年/宝塚映画/99分/白黒
監督:佐伯幸三/脚本:芝野文雄/撮影:岡崎宏三/美術:鳥居塚誠一/音楽:広瀬健次郎/出演:フランキー堺、鶴田浩二、加東大介、中田康子、安西郷子、環三千世、峯京子、山茶花究、柳家金語楼、丹波哲郎、ミヤコ蝶々

一人旅を続ける森の石松(フランキー)は傷ついた渡世人を助けるが、仇の名は「森の石松」と言って息絶える。なんと東海道は宿場、宿場にニセ者が氾濫。ニセ者の出現に激怒した本物の石松が、渡世人の仇を討つ時代劇コメディ。鶴田浩二の追分三五郎、加東大介の清水次郎長、放れ駒の藤蔵に丹波哲郎など、にぎやかな顔ぶれの娯楽時代劇。

「大阪もの」の代表作を豪華俳優人たちが演じる群像劇

丼池

1963年/宝塚映画/104分/白黒
監督:久松静児/原作:菊田一夫/脚本:藤本義一/撮影:黒田徳三/美術:加藤雅俊/音楽:広瀬健次郎/録音:中川浩一/照明:下村一夫/出演:司葉子、三益愛子、新珠三千代、森光子、中村鴈治郎、佐田啓二、浪花千栄子、園佳也子、佐原健二、山茶花究

大阪ものを書かせたら天下一品、菊田一夫原作を藤本義一が脚本化、昭和の庶民派・久松静児が監督した「大阪もの」の代表作。大阪のど真ん中、繊維街・丼池で、大学出の才媛(司)vs.がめつさNO.1の金貸し婆さん(三益)の対決を軸に、私利私欲に目がくらんだ女たちが繰り広げるコテコテの群像劇。大阪各地でロケを敢行。60年代の大阪が懐かしい!

◎ 11/4(月・祝) 14:20の回の上映後、トーク開催

「『丼池』と宝塚映画」
トークゲスト:辻則彦さん(映画・演劇ジャーナリスト)

関西映画傑作選

来年は阪神・淡路大震災から30年。傑作3作品上映!

来年は阪神・淡路大震災から30年。震災前の神戸で製作された『シーズ・レイン』の特別上映と、2022年に亡くなった大森一樹監督の三回忌を記念して宝塚でも撮影された『女優時代』、丹波市の「エビスシネマ」誕生秘話を描く『銀幕の詩』を上映します。

すべてデジタル上映

来年は震災から30年

シーズ・レイン She's Rain

1993年/「シーズ・レイン」製作委員会/デジタルリマスター版/95分/カラー
監督:白羽弥仁/原作:平中悠一/脚本:白羽弥仁、岡田恵和/撮影:阪本善尚/音楽:奈良部匠平/歌:大江千里/録音:本田孜/出演:小松千春、染谷俊、成田路実、菊池麻衣子、野村祐人、橘洋大、山下規介、松岡英明、野田幹子、有森也実、范文雀

『劇場版 神戸在住』『みとりし』などの白羽弥仁監督の劇場デビュー作。震災前の神戸の街を舞台に、若者の日常や恋愛を描いた鮮烈な青春映画。1995年の大震災ですっかり変わってしまった神戸と阪神間の街並み。美しい神戸と阪神間のかつての風景、震災で閉店となった名店や名所が満載の、貴重な街の記録。デジタルリマスター版完成記念上映。

◎ 11/2(土) 12:20の回の上映後、舞台挨拶あり

 登壇者:白羽弥仁監督

大森一樹 三回忌/生誕百年 乙羽信子

女優時代

1988年/近代映画協会/デジタル/93分/カラー
監督:大森一樹/原作・出演:乙羽信子/脚本:新藤兼人/撮影:水野尾信正/美術:大谷和正/音楽:かしぶち哲郎/出演:斉藤由貴、根津甚八、森本レオ、相楽晴子、川谷拓三、峰岸徹、上田耕一、浜田光夫、真実一路、室井滋、山本陽子、大地康雄、小林桂樹

今年生誕百年・没後30年を迎える乙羽信子の自伝『どろんこ半生記』を原作に、宝塚音楽学校~大映入社~新藤兼人との愛という女優・乙羽の半生を21歳の斉藤が演じきる異色作。小林一三、永田雅一、川口松太郎、宇野重吉らに扮した俳優達の熱演も見どころ。宝塚でも撮影敢行。撮影を見守る乙羽、演出する故大森一樹監督が登場するサプライズに涙!!

◎ 11/2(土) 14:35の回の上映後、トーク開催

「大森一樹監督を語る」
トークゲスト:白羽弥仁監督

丹波市の映画館「エビスシネマ」誕生秘話

銀幕の詩

2023年/アルミード・dacapo/DCP/87分/カラー
監督・脚本:近兼拓史/撮影:畠岡英隆、近兼拓史/美術:細見典行/主題歌:ワタナベフラワー/テーマ曲:KAZZ&柿原千春/出演:柴田由美子、松岡智子、一明一人、とみずみほ、芳野友美、澤田敏行、サニー・フランシス、くっすんガレージ、KAZZ、原田年晴

瀬戸内海と日本海を結ぶ水分かれ「氷上(ひかみ)回廊」がある兵庫県丹波市。その丹波で突如巻き起こった暴力団事務所設立問題。その立ち退き運動と、その場所に生まれた映画館「エビスシネマ」誕生秘話を描く人情コメディ。過疎の町が抱える負の問題をプラスにする逆転の発想に驚嘆!監督は「エビスシネマ」支配人の近兼拓史さん。

◎ 11/3(土) 12:30の回の上映後、舞台挨拶あり

 登壇者:近兼拓史監督

プレイベントPre-event

小津安二郎監督特集

巨匠・小津安二郎監督が、社会と家族を静かに見つめた代表作。

写真提供=優秀映画鑑賞推進事業

2012年の「映画監督が選ぶベスト映画」で世界No.1に選出された『東京物語』。昨年生誕120年、没後60年を迎えた世界に誇る日本映画の名匠・小津安二郎監督。『麦秋』『東京物語』『彼岸花』、そして遺作となった『秋刀魚の味』と小津安二郎監督が、変わりゆく社会と家族の姿を静かに見つめた代表作4本を美しい35ミリフィルムで、ワンコイン500円(1本)で特別上映いたします。

  • 『⻨秋』
    1951年/125分/出演:原節子、笠智衆、淡島千景、三宅邦子
  • 『東京物語』
    1953年/136分/出演:原節子、笠智衆、東山千栄子、杉村春子
  • 『彼岸花』
    1958年/118分/出演:佐分利信、田中絹代、有馬稲子、久我美子
  • 『秋刀魚の味』
    1962年/113分/出演:岩下志麻、笠智衆、佐田啓二
日 程10/13(日)〜 10/17(木)
料 金特別料金500円均一(1本)
会 場宝塚シネ・ピピア
(阪急宝塚線「売布神社」駅前/ピピアめふ5F)
Web上映スケジュールなど、
詳しくは公式サイトから

〈お客様へのお願い〉